Mac OS Xの正式版が発売されましたが、Max/MSPの動作状況はPublic Beta版と変わりません。これはDavid Zicarelliも公言しています。よって、以下の記述はそのまま継続掲載します。(2001.03.24)
Mac OS XのPublic Beta版がやってきた。果たして我らがMaxは動作するのか?ってことで実験してみました。
まず、私はPowerBook/500(FireWire)の内蔵ハードディスクを2つのパーティションに分けているので、その一方にMac OS Xをインストールした。インストール作業は簡単で、トラブルなく終えることができた。ちなみに、内蔵ハードディスクのパーティションのもう一方にはMac OS 9.0.4をインストールしており、Max 3.6.2およびMSP 1.7.2をインストール&オーソライズしている。
Mac OS Xにログインすると、まずは、いきなりMaxMSPPlayを起動してみる。Classic環境が立ち上がり、続いてMaxMSPPlayがロードされる。おなじみのスタートアップ・ウィンドウが表示され、OMSがAppleTalkを切るか?と尋ねてくる。AppleTalkはそのままにして起動を続けると、めでたくメニューバーが表示され、Maxウィンドウが開く。お、なんと順調!と喜んだのも束の間、パッチを開いた瞬間にフリーズしたり、音もなく終了したりする。とは言っても、メモリ保護付きのXだから、システムや他のアプリは平気な顔をしているのは流石である。
PlayがダメなのだからMaxもダメだろうなと思いながら、MaxFATをダブルクリック。今度はメニューバーが真っ白なまま、スタートアップ・ウィンドウもMaxウィンドウも現れない。MaxFATは起動途中で死んでいるらしい。
となると、まるでダメじゃんと言うことになるが、ふと思いついた。OMSを切る! OMSがMac OS Xでは正常に動作しないことは他でもレポートされている。私の環境でも、OMS Setupアプリケーションは正常に起動するものの、MIDIの入出力はまったくできなかった。ちなみに、MIDIインターフェースはRolandのUM-2である。
そこで、Mac OS 9のシステムフォルダの機能拡張フォルダから「Open Music System」を外してClassic環境を立ち上げ、もう一度MaxMSPPlayを起動してみる。その結果は以下の通り、めでたく正常に動作しているようである。
とりあえず、サンプルパッチやチュートリアルのパッチなどを開いて実行してみたところ、特に動作に不都合はない様子。オシレータもフィルタもサンプル再生もFFTもOKなようです。
ただし、Public Beta版では、Classicアプリケーションでのサウンド入力は利用できないので、adc~は動作しない。また、「01.Test Tone」では、サイン波にノイズ(細かなチリチリ音)が混じる。これは振幅が最大であるためのようで、0.95程度ならノイズは混じらないようだ。
さらに、他のアプリケーションに切り替えた時などに、一瞬音が途切れることがある。動作中にCPU使用率が0%を示すことがあるのもちょっと変。このあたりは、完全なマルチタスク環境がアダになっているのかも。
なお、OMSを外しているので、当然のことながらMIDI関連の処理は不可である。
次に、同じくOMSを外した状態で、MaxFATを起動してみる。しかし結果は同じで、起動途中で死んでいるらしい。もしかするとコピープロテクト関連が邪魔をしているのかもしれない。ちなみに、私はフロッピーディスクでオーソライズしている。
ところで、アプリケーションが操作不能に陥った場合は、Command-Option-Escapeキーを押すと良い。これでアプリケーションリストが現れ、任意のアプリケーションを強制終了させることができる。
というわけで、Mac OS X(Public Beta)ではMaxは使えません、が結論。MaxMSPPlayは動作するけど、音が途切れる危険性がある以上、まともな演奏には怖くて使えないしね。もっとも、これまでもシステムがバージョンアップする度に音楽系ソフトは動作不良を起こしていたから、まるで異なるOSであるXで、Playだけでも動作するのは驚異的と言うべきかもね。Mac OS Xの正式リリースや、Max 4.0とMSP 2.0を期待しながら待つことにしましょう。