このプロジェクトはメンバー個々のアート活動(企画・制作など)を中心に、ゼミ形式で映像の鑑賞や文献の購読を行っている。一人ひとりのメンバーにとってアート活動がどのような意味をもっているのかを「考え」「話し合う」ことを重視している。また今年度は大垣市主催の「コミックタウン・ギャラリー」に参加し、市街地にある空きスペース「iamas OS」で作品展示「IAMAS WORKS」を企画・運営した。在学生を中心に約一ヶ月に渡り連続して計5回の展示を行った。
学生個々の制作・研究内容のパネル展示の他、大垣市主催「コミックタウン・ギャラリー」に参加して、大垣市街地にあるスペース「iamas OS」で実施した「IAMAS WORKS」の展示記録映像を流す。約一ヶ月間に行われた5回の展示の様子を見ることができる。
現状の社会課題を抽出し、未来を見据えたプロトタイプの実現と、それによる未来像の創出、そしてプロトタイプの現実化を念頭に活動するプロジェクト。ここでのプロトタイプとは、ユーザーエクスペリエンスを考慮したインタラクションデザインを実践するとともに、情報通信技術を利用しながら社会における意義を検討しながら、実稼働し体験可能な「モノ」と、教育的ワークショップや社会基盤システムなどへ向けた試行的な取り組みとしての「コト」の両方を指す。また、これらの共創の実践のためのIAMASで編み出した思考ツールの活用方法や、その他のデザインプロセスも研究対象としている。
現代社会の抱える大きな問題のひとつにアカデミズムとポピュリズムの乖離が挙げられる。研究の場と社会との接点においてそれは、専門化を進めれば進めるほど人に伝わらなくなるジレンマとして表れている。本プロジェクトではそのような状況を踏まえ、メディア表現を研究する上で、表現そのものを深める事とともに、表現がいかに伝わるかにも意識的であることを重視する。そのために、参加する学生個々人のテーマを巡って「作る」「伝える」「考える」の3つの過程を循環しながら新しいクリエイションのあり方を模索する。
西濃の虚空蔵信仰の中心となる明星輪寺のある金生山は、大垣市街に近い位置にありながら様々な資源に恵まれ、古くから鉄鉱石や大理石、石灰を産出し、地域の繁栄を支えてきた。またお寺に残る算額や、境内に棲息する陸貝やヒメボタルは毎年数多くの参拝者を集め、近年では、化石館を中心に地球環境の変遷に関する貴重な資料を提供する場としても注目を集めている。このように信仰、産業、科学文化と密接に関わりながら人々の営みを支えている金生山をひとつの「鏡」として、わたしたちの「現在」を見つめる。
大垣市赤坂の金生山を音響と映像によって多層的に、感覚的にとらえる。身近で見慣れた風景でありながらあまり知らない場所。そのような場所との「やりとり」を始める試みでもある。
昨年夏に開催されたクリティカル・サイクリング展2016に引き続き、自転車にまつわる情報をマグネット・シールにまとめ、自転車にまつわる書籍や映像資料とともに展示。さらにVRによる擬似サイクリング体験や、映像入出力装置を備えたドーム型のトライクのデモ走行など、前回よりもひとまわり大きな展示を行う。
いま「創造的である」ということはどういうことか?このプロジェクトでは、アート、デザイン、思想、暮らし等の様々な領域の実践者の知見に触れながら現代社会の課題を考察し、思考の可動域を広げ、これからの時代の「創造」のあり方を探っていく。様々な分野を横断するレクチャー・シリーズの開催を軸に、ワークショプや展示等の活動も積極的に展開する。また学内での活動だけにとどまらず、広く地域の人々との接点をつくりだしていく。
このプロジェクトでは、アート、デザイン、思想、暮らし等の様々な領域の実践者の知見に触れながら現代社会の課題を考察し、思考の可動域を広げ、これからの時代の「創造」のあり方を探っていく。これまでのレクチャー及び活動の記録を展示する。
シンギュラリティーが及ぼすであろう影響を考察しつつ、我々の体験が拡張される環境を創出するための研究を行うプロジェクト。デバイスや画像などのメディア処理、ロケーションベースシステム、インターネットなどの基盤となる技術を利用し、エンターテイメント空間や場所依存のサービスなどの応用として、システム/作品として展開します。これらはクラブイベントNxPC.Labの開催や音楽フェスティバルなどのイベントと連携することで、実践的な空間での展開を積極的に行っていきます。
根尾コ・クリエイションは、旧根尾村(岐阜県本巣市根尾地区)の人たちと交流や協働を通して、「持続可能な地域社会」や「暮らすこととは何か」を考えながら活動している。昨年は、古い建物をリノベーションして拠点(ねおこ座)をつくり活動を始めた。今年は、休耕地を借り農作活動を始めた。土を耕し、固定種の種を植え、害獣との共生を考え、周囲の畑の人たちと協働ながら、食、エネルギー、コミュニケーション、テクノロジー、教育といった多様なテーマを考える場となっている。北の限界集落でのフィールドワークは今年も重要な活動である。ここでみつけた可能性を未来のデザインへとつなげていく活動を行っている。
2015年から実施している根尾北部の限界集落でのフィールドワークと、2016年から始めた休耕地を使った農作活動。2つの主な活動を通して、私たちが根尾で見つけたもの、根尾の未来につなげていきたいものを中心に展示する。
福祉の技術プロジェクトではメンバーそれぞれが自分の生活の中で興味を持ち、問題であると感じた内容をテーマにして活動している。福祉における課題を幅広く捉え、各自が関心のある課題について調査し、その解決策についてプロジェクト内で議論しながら探っていく。今年度のメンバーは障がい者スポーツである車椅子バスケットボールや子どもを対象としたサイクルマッピング、健康教育の新たな表現方法の可能性などをテーマとしている。各メンバーは地域を越えて様々な年齢や経歴を持つ人々と連携しながらフィールドワークを行うことで常に新たな気づきを得ている。
2012年よりローカル鉄道など地域の移動体を新しい時空間と捉え、音や映像、ディバイスや道具、ダンスやパフォーマンスなどを組合わせて新しいインタラクションデザインや表現を創り、旧い移動体の新しい可能性を模索してきた。特に、樽見鉄道を活用して継続的に実験を重ね試行してきたクラブトレインやクリスマストレインは、異なるローカル鉄道での実践や、他の主催者による実践など新しい需要を創出してきた。本取組みも4年目となり、クラブトレインは樽見鉄道の冬の風物詩になってきている。
展示では、クラブトレイン2016の映像を大きなスクリーンで体感してもらう。
IAMASイノベーション工房をベースに、岐阜県大垣市の建築設計事務所「TAB」と連携しながら活動している。Makerムーブメントの時代において、3Dプリンタやレーザー加工機、CNC、デジタル刺繍ミシン、といったデジタル工作機械を活用するとともに、手作業を中心に発展してきた工芸を手法として取り入れることで、小規模でも持続可能なビジネスとコミュニティ、そしてそれらを可能にするツールの可能性、新しい産業領域の可能性について、最初から経済的な持続可能性も視野に入れながら、探求していくプロジェクト。
2016年7月に開催された、「IAMAS OPENHOUSE 2016」、2016年12月に開催された「 第5回 展開図武道会 ~ この椅子いいっすね!」を通して、学生が出展した作品についての制作手法やプロセスなどを展示する。
近年、映像の高解像度化はすすんでいる。4Kフォーマットが普及し8Kテレビの試験放送も開始された。2000年代後半にHDフォーマットの大型液晶テレビが登場した直後には、都市空間にデジタルサイネージがこれほど普及すると想像できた人は多くはいなかったはずだ。映像の高解像度化は従来よりも繊細な描写を実現するといった単純なことではなく、新たな表現形式を創出してきた事実がある。それらのことを踏まえ、さらなる映像表現を模索することが本プロジェクトの目的である。
映像表現における解像度に着目して制作したプロトタイプや作品を展示する。
情報科学と芸術との交流が築きあげてきたメディア・アートを中心に、本学が標榜する「メディア表現」について過去・現在・未来の視点から検証し、再定義することを主題としたプロジェクト。図書館を「知」の循環を体感する場と位置づけ、アーカイバル・リサーチ──実証的な情報収集と編集による資料化、「知」の改変と再編──を手法として、メディア研究を実践。研究活動を通じて、図書館の機能を考え、「IAMASらしい図書館」を創造する。また、メディアパフォーマンス作品に関する資料収集、編纂、閲覧環境のデザイン、展示、再制作・再演の活動を通じてメディア・アートとは何か拡張的に研究・議論し、新たな価値創出と研究情報の発信を目指す。
図書館の活動として、毎週行なっているレクチャー「図書館長が選ぶ今週の一冊」の記録映像と、これまでに紹介した書物を展示する。アーカイブに関する研究として、三輪眞弘の作品を事例としたメディア・アートの資料体構築の研究を紹介する。
インタラクティブアートにおけるインタラクションは鑑賞者の空間的な振る舞いと作品の時間的変化の関係として現れるが、その展示記録においては、作品と鑑賞者を含む相互の インタラクションを記録する試みはほとんど行われてこなかった。
本研究では作品と鑑賞者相互の時間的変化を3Dデータとして記録できる装置を開発し、インタラクション(鑑賞者の空間的な振る舞いと、作品の時間的変化の関係)を含めた作品記録、およびその活用まで含めたアーカイブ手法の開発を目指している。
時間軸を持った 3D データを記録することを目的として開発中の「鑑賞者ボーン撮影システム」、「Timebased 3D RecordingSystem」、「Timebased 3D Viewer」の現状について報告し、新たな展示記録の活用方法を提案する。